2008年05月14日

平成20年度RA 自己紹介(14)

山田 健太 (総合理工学研究科知能システム科学専攻 高安研)

今日、為替市場や株式市場は取引を望む人が自発的に取引できる自由市場という形式で各国に導入され経済活動の骨格の一つとなっている。BIS(国際決済銀行)は3年に一度、外国為替の取引高調査を行っている。2007年4月調査では1日の外国為替の出来高は全世界で約3.2兆ドル、円ドル為替はそのうちの約13%を占めている。IMFが発表した2007年度の全世界のGDPは54兆ドルであるので外国為替市場の1年間の取引高は、全世界のGDPの約20倍もの取引が行われていることになる。さらに、金融市場には為替市場だけではなく株式市場も存在し、WFE(世界取引所連盟)に加盟している56市場の2006年の取引高は約70兆ドルである。そして、こうした金融市場での取引目的の9割以上は安く買って高く売ることで生じる利ざやを目的とした取引であると推定されている。

このような金融市場では時にブラックマンデーやアジア通貨危機のように大暴落を起こす事があり、為替取引や株式取引をしていない人々の暮らしまでも大きく変えてしまう事があるが、基本的な取引形態は過去からほとんど変わっていない。これは、現行の制度を変える難しさももちろんあるが、どのように変えたらいいかが不明確であることが一番の原因だろう。これを解決する為には、現在の為替や株式市場がどのような性質を持つのかを定性的、さらに定量的に把握することが必要である。

これまでの研究で市場の統計性をほぼ全てみたす、ディーラーモデルを構築し、さらにモデルの理論的な解析も進んだ事により市場の統計性とディーラーの行動の因果関係が明確になってきた。そこで今年度のRAの研究では、このディーラーモデルを用いて、ディーラーに課せられるロスリミット効果と暴落の関係を明らかにする。
posted by absss at 16:16| 東京 曇り| 研究員・RA通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする